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執筆者の写真小森智文

成年後見の横領事件

 今月中旬長野県の社会福祉協議会の交通事故で亡くなった職員の残務整理をしていたら、成年後見を利用している5名の方々の預金口座から勝手に、1,380万円が引き出されていたという横領事件のニュースがありました。


 こういうニュースを聞くと本当に悲しくなってしまいます。

 ほんの一握りのの倫理観が欠如している人による成年後見制度を悪用したニュースが、成年後見制度のイメージを悪くし、本当に利用しなければならない人が活用をしないという事態になってしまわないかと心配になってしまいます。

 

 日本には現在認知症の方は約700万人いると推定されており、知的障害や精神障害をの方を入れれば、成年後見の対象者は約1,000万人以上はいると考えられています。

 最高裁判所から毎年公表される成年後見制度の利用状況を見ても、現在成年後見制度を利用している方の総数は約25万人程度しかいません。

(出典元:最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況-令和4年1月~12月-」


 今後、ますます高齢化社会、そして、お一人様と呼ばれる独居の方が増えていくことが予想される中で、利用数が伸びないというのは、制度だけの問題ではなく、こういう悪いニュースも一つの要因だと思います。


 この事件では、最終的にはこの職員の親族が弁償するということですが、行政書士という立場で、相続なども専門にしている私にとっては、既に相続手続きを一部でも行ってしまい、単純承認をしたとみなされ、マイナスの財産も引き継がなければならなかったのではないかと、深読みをしてしまいます。


 法定後見や任意後見を利用したり、遺言執行や死後事務委任などを委任したりするようなお金に関わるようなことは、単に有資格者や法人だからということでなく、本当に信頼できる人や法人なのかを何度か会ってから依頼する方がいいと思います。

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