私が所属しております公益社団法人コスモス成年後見サポートセンターでは、毎年10時間の更新研修を受講しなければなりません。
新たしい年度が8月からスタートしたこともあり、早速、ビデオ・オン・デマンド(インターネットを通じた研修)で、神奈川県支部が行った研修を受講しました。
私は既に10件以上の成年後見人等(後見人・保佐人・補助人)に就任しており、知的障害で言葉での意思表示が出来ない方や生活保護受給者の方などもいらっしゃいますので、特殊事例の研修を中心に受講をしてみました。
今回の受講で一番興味をもったのは、元裁判所の書記官の方の講座でした。書記官の立場から、どのような書面を作成し、提出をすればいいのかという内容は、今後の業務に非常に役立つものだと感じました。
また、表題の「居住用不動産処分許可」の申立については、私の認識では資産に不動産を所有している方が対象のものだと思っておりましたが、今回受講してみると、賃貸不動産の場合でも解約の際には裁判所の許可が必要ということを知りました。
丁度、私が担当している方で、転居を予定している方がいましたので、この受講後、早速、家庭裁判所に申立を行い、無事に審判がおりました。
ある程度のことは理解しているようでも、やはり、常日頃からの情報収集や研修への参加の重要性を再認識させられました。
同業の行政書士のホームページをたまに見ると、取り扱い業務の中に「成年後見」ということを書いている方もいますが、弁護士や司法書士と違い、行政書士で成年後見を実際に携わっている人は少ないのが現状です。
私は成年後見などの業務については、単に士業の資格を有しているから、近くに事務所があるからというのではなく、実際に、その士業の方とお会いになって、本当に業務を託せる方かどうかを確認すべきということを、セミナーではお伝えしています。
ご家族がこの方が適任と思っても、本人との相性もあります。また、財産管理だけでなく、しっかりと身上保護を行ってくれるかなど、成年後見を依頼するような場合は、通常の遺言作成や相続手続き等の業務以上に、慎重に依頼先を選ぶことが大切だと考えます。
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