定期的に行政書士の仲間と、指摘勉強会を行っています。
たまたま、テーマとして昨今問題となっている空き家問題について、我々行政書士が、どのような取り組みをするべきかということが取り上げられました。
空き家対策には、不動産所有者とその親族が将来に備えて、「信託制度」を活用すべきだという意見や、認知症になった際に活用できる「任意後見制度」の代理権を細かく決めて対応するべきだという意見、遺言書を作成して誰が受け継ぐのかを決めておくべきだという意見がありました。
どの選択肢であっても、不動産所有者である方が、空き家問題に積極的に取り組もうという意思がなければ、先に進めることはできません。
我々行政書士は、事実証明をする書類を作成することができますので、不動産の所有者がお亡くなりなっている場合は、法定相続人等の依頼を受けて、相続人の戸籍を調べて相続人の確定作業や、法定相続分による持ち分などの遺産分割協議に必要な書類を作成することができます。
ただ、不動産登記がずっと放置されているような場合ですと、相続人は何十人にも及ぶ場合があります。兄弟姉妹でさえ、相続になれば揉めてしまうこともあることを考えれば、顔も名前も見知らぬ親族であれば、尚更、遺産分割協議は進みません。
実際、私が相続手続きの依頼を受けた案件では、叔父が亡くなり、唯一の法定相続人である甥だけであるにも関わらず、叔父が住んでいた不動産は明治時代から不動産登記の変更がなされておらず、実際にこの不動産を相続しようとすれば、相続人の確定作業だけでも他の要因もあり膨大な時間と経費が掛かるものでした。
そのような事態に陥らないようにするためにも、不動産を所有されている方は誰に相続させるのかを明確にするために、遺言書や信託制度を活用すべきだと思います。
また、今年4月から不動産登記の義務化も始まっております。遺産の中に不動産が含まれる場合、不動産は面倒だからと言って、先延ばしにすることなく、誰が相続するのか、それとも、売却を行った上で、売却代金を分けるのかをしっかりと決めていただくことが重要です。
人口が減少しているにもかかわらず、新築物件を建てまくるという方針から、耐震構造の住宅をリノベーションして住むように促すよな政府の施策があってもいいと思います。これ以上、空き家を増やさないようにするためにも、そして、持続可能な開発目標を訳されるSDGsを、推し進めるためには、そのような発想の転換が必要だと考えます。
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