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執筆者の写真小森智文

配慮が必要なのは・・・

 前回の記事で、4月1日から合理的配慮提供義務化という記事を書かせていただきました。

 4月1日から、障害福祉サービスの3年に1度の報酬改定も行われております。また、私が利用する街角年金相談センターでは、完全予約制が導入されております。


 4月1日と言えば、新年度なので、制度自体が変わることは仕方がないとは思いますが、障害福祉サービスの報酬改定や処遇改善などの事業者への告知が制度開始の4月1日直前直後で、その提出期限が2週間しか設けていないというのは如何なものかと思います。

 これでは制度や内容を理解するどころか、ただ書類作成だけに注力してしまい、様々な点で予期せぬ不備や、勘違いなどで書類を作成してしまいかねません。そして、本来は新年度で新たな利用者に向けるべき労力が書類作成に向けられてしまい、サービス提供が疎かになってしまいかねないと思うのは私だけでしょうか?

 障害福祉サービスは、かなり細分化され、それぞれサービスごとに作成しなければならない書類が多数あり、何故ここまで複雑にするのかと疑問に感じます。

 申請書類も、公開してから数日で、改正されたものが掲示し直されていて、役所内で十分に検証する時間もなく、制度改正が行われてしまっているということが、垣間見えてしまいます。

 障害福祉サービスを利用している家族の立場からすれば、制度が変わるごとに、契約書や重要事項説明書が送付されて来て、よく分からないようなことをされるよりは、もっとシンプルなものにできないのかと思います。このような書類作成に労力を向けるようにするのではなく、如何に効率よく、分かりやすい制度にするかの配慮が欠けているのではないかと思ってしまいます。

 また、冒頭に書いたように、街角年金相談センターの完全予約制が始まったことは良いのですが、本当に適正な予約枠を設定しているのかと思ってしまいます。

 成年後見人等に就任すると、年金の振込口座の変更や年金の通知などの書類送付先を変更するために、年に数回は年金事務所を訪問することがあります。私の場合は、街角年金相談センターに行くと、開庁時間に行っても約1時間、お昼ごろに行くと2~3時間待たされ、どうにか待ち時間を短縮できないかと思っていました。

 そのため、完全予約制自体には賛成しますが、先週、成年後見人に就任し、年金手続きに行くために、予約を取ろうとしたら、もうほぼ2週間先まで埋まってしまっている状態でした。これなら2~3時間待っても、当日手続きをしてくれる方がましだったと思ってしまいます。

 年金受給者が亡くなると、亡くなってから2週間以内に手続きをしなければならないとしておきながら、これではその期限を遵守できないようなものはどうかと思いますし、ましてや、今後年金受給者が増えて来るのに、このような状態では、いずれ利用者から不便さを指摘されることになるでしょう。


 一方的な制度改正ではなく、利用者が周知する期間や利便性などを十分に配慮して、バランスの取れた改善をしていただきたいと思います。

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